ETF(上場投資信託)への投資は、分散投資が手軽に行えることから近年人気が高まっています。しかし、ETFを売却して利益が出た場合、その利益は確定申告の対象となるのでしょうか?この記事では、ETF売却益に関する税金について詳しく解説し、疑問点を解消していきます。
目次ETF売却益とは?
まず、「ETF売却益」について理解しましょう。「売却益」とは、資産を売却した際に得られる利益のことです。ETFの場合、購入価格よりも高い価格で売却することで、その差額が「売却益」となります。
例えば、100万円のETFを購入し、その後120万円で売却した場合、20万円の売却益が発生したことになります。
ETF売却益は確定申告が必要?
結論から言うと、ETFの売却益は原則として確定申告の対象となります。
ただし、税金の計算方法は、売却したETFの種類や保有期間によって異なります。
1. 配当金と分離
ETFの売却益は、配当所得とは別々に扱われます。つまり、ETFから受け取った配当収入は、通常の配当所得として確定申告しますが、ETF本体を売却して得た利益は、別の「譲渡所得」として計算されます。
譲渡所得の課税について
譲渡所得は、以下の2つの要素によって税額が決定します。
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保有期間:ETFを保有していた期間によって、税率が異なります。
- 短期間(1年以内): 売却益に対して、20.315%の税率が適用されます。
- 長期間(1年以上): 売却益に対して、15%の税率が適用されます。
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累進課税制: 譲渡所得は、他の所得と合算して、累進課税によって税額が計算されます。つまり、年収が高いほど、税率が高くなります。
例:ETF売却益の計算
100万円のETFを購入し、120万円で1年後に売却した場合を例に見てみましょう。
- 売却益: 120万円 – 100万円 = 20万円
- 保有期間: 1年以内(短期間)
- 税率:20.315%
この場合、売却益20万円に対して、40,630円の所得税が課税されます。
節税対策は可能?
ETFの売却益を減らすための節税対策は、いくつかの方法があります。
- 長期保有: ETFを1年以上保有することで、税率を15%に抑えることができます。
- NISA・iDeCoを活用: NISAやiDeCoなどの非課税制度を利用することで、売却益を非課税にすることができます。ただし、積立投資の枠内でのみ利用可能です。
インターネットで参考情報を探そう!
ETF売却益に関する詳しい情報は、金融庁のウェブサイトで確認できます。
ETF売却益に関するよくある質問
売却益が20万円未満でも申告が必要ですか?
A: はい、譲渡所得は金額に関わらず、申告する義務があります。ただし、確定申告書を作成しなくても、e-Taxなどのオンラインで申告をすることも可能です。
複数のETFを売却した場合はどうすれば良いですか?
A: 複数のETFを売却した場合は、それぞれを個別に「譲渡所得」として計算します。保有期間や売却益額によって税率が異なるため、注意が必要です。
ETFの配当金はいつ申告すれば良いですか?
A: ETFの配当金は、受け取った年に確定申告をする必要があります。
NISA口座で売却したETFの売却益は課税されますか?
A: いいえ、NISA口座で購入し、NISA口座内で売却したETFの売却益は非課税です。ただし、NISA枠を超えた分については課税対象となりますのでご注意ください。
損失を計上することはできますか?
A: はい、ETFで損失が出た場合は、その損失を他の譲渡所得と相殺することができます。ただし、相殺できるのは同じ年の譲渡所得のみです。
確定申告は自分で行う必要がありますか?
A: 自分で確定申告書を作成することもできますが、税理士などの専門家に依頼することも可能です。複雑なケースでは、専門家のサポートを受けることをおすすめします。